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将来への投資加速/脱炭素やMaaS分野の開発へ/トヨタグループ各社、成長分野の開発に力/自動車③

トヨタ紡織はライドシェアの試作車「MX221」を制作
トヨタ紡織はライドシェアの試作車「MX221」を制作

トヨタグループ各社が将来への投資を加速している。既存事業の競争力を一層と磨いているのに加え、脱炭素やMaaSなど将来の成長分野での開発を重点的に進めている。自動車産業が大きな転換期を迎える中でも持続的な成長を目指している。

愛知製鋼は高性能な次世代電動アクスルの技術実証に成功
愛知製鋼は高性能な次世代電動アクスルの技術実証に成功

■競争力を強化

各社とも既存事業の競争力を一層と強化している。

デンソーは、車や歩行者の検知性能などを高めた予防安全システム向け製品「グローバルセーフティパッケージ3」を開発した。ミリ波レーダー、カメラを用いる画像センサーで構成している。トヨタ自動車の高級スポーツタイプ多目的車(SUV)「レクサス・NX」やミニバン「ノア」「ヴォクシー」などに採用されている。

グローバルセーフティパッケージ3は、交差点で右折する際に前方から近づく直進車や横断歩行者との衝突回避支援などに貢献する。さらに高速道路でカーブ減速やレーン変更の支援、一般道路での赤信号の注意喚起などに寄与する。

豊田自動織機は、物流システムの開発などを手掛ける独ヴィアストアを買収すると発表した。買収額は300億円規模とみられる。ヴィアストアは自動倉庫や各種物流機器の制御、管理を行うソフトウエアを手掛け、欧州を中心に製造や物流、食品など幅広い分野で顧客を持っている。今回の買収により欧州での事業強化を狙う。

豊田自動織機は25年度に物流ソリューション事業で、売上高を6千億円に増やす目標を掲げている。今回の買収を弾みにして目標達成を狙う。

アイシンは軽量な「ペロブスカイト型太陽電池」の開発を加速している
アイシンは軽量な「ペロブスカイト型太陽電池」の開発を加速している

■将来への開発

脱炭素化や「MaaS」など将来への技術開発にも取り組んでいる。

アイシンは、次世代型太陽電池として有望視されている軽量な「ペロブスカイト型太陽電池」の開発を加速している。25年には自社工場に導入し、発電性能などの実証に乗り出す。一般的なタイプに比べ重量を5分の1程度と格段に軽くできる。ビルの壁面や耐荷重の小さな屋根などこれまで太陽電池を設置しにくかった場所にも施工できる。脱炭素化に向け、太陽光発電の利用拡大に貢献したい考えだ。

ペロブスカイト型太陽電池は、軽くて曲げることができるのが特長。有機系材料を使うため、国内で材料調達が可能になるという。さらにシリコンを使った太陽電池に比べ、製造時の二酸化炭素(CO2)排出を10分の1程度に減らせる。

また、トヨタ紡織は、未来の移動手段であるライドシェアの試作車「MX221」を制作した。2030年ごろのライドシェアでの使われ方を想定し、車内の快適な空間やシート交換の機能などを提案している。制作にはデンソーやアイシン、ジェイテクト、豊田合成、東海理化が携わった。

愛知製鋼は、高性能な次世代電動アクスルの技術実証に成功した。モーターの回転数を少なくする高減速機を開発。高速回転するモーターと組み合わせ、電気自動車(EV)に必要な高い出力を引き出せるようにした。体積は一般的な電動アクスルに比べ約4割の小型化を実現した。2030年前後の実用化を目指している。

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