全国唯一のブロック経済紙 愛知・岐阜・三重・静岡の経済情報

中部経済新聞 購読者向け中経企業年鑑データサービス申し込み・ご利用はこちら

特別企画「エネルギーを考える」公開中

新聞購読のお申し込みはこちら

環境経営賞 新来島豊橋造船とトピー工業/都市デザイン文化賞 ミナト設備工業本社/豊橋商工会議所が企業表彰/三遠

新来島豊橋造船の7千台規模自動車運搬船
新来島豊橋造船の7千台規模自動車運搬船

民間企業にとって各地の商工会議所から表彰を受けることは名誉なことだ。実績を積み重ねた上で、時流に合わせた行動が求められる。このほど豊橋商工会議所が表彰した製造業の環境技術にスポットライトを当てた「環境経営賞」と、市街地のデザイン化に寄与する建屋「都市デザイン文化賞」に認められたミナト設備工業の本社を紹介する。

トピー工業豊橋製造所の「ティーエーコイル」
トピー工業豊橋製造所の「ティーエーコイル」

■環境経営賞

新来島(しんくるしま)豊橋造船(本社豊橋市明海町22)は、文字通り造船業だ。豊橋市の臨海部に建造ドックがあり、対岸にはトヨタ自動車の田原工場がある。載貨(さいか)重量6万トンのバラ積み運搬船、自動車運搬船などを手掛ける。

豊橋会議所の「環境経営賞」の対象となったのは、1年半かけて建造した7千台規模自動車運搬船だ。グリーンエネルギーとして注目されているLNGを国内で初めて主力燃料とし、重油とLNGのデュアルフュ―エル大型自動車運搬船として完成させた。現在、トヨタの田原工場にも月1回ほどのペースで接岸している。

燃料にとどまらず、高効率のスクリュープロペラを活用し船底外板には省エネ塗料を採用。船内居住区・機関室内全域にはLED照明を導入した。エネルギー効率関連条約のルールに定めた方法で算出すると、C=(二酸化炭素)排出量を2008年比で40%以上削減することに成功した。

さらに先進的なデジタル技術を完備させたことも特徴。日本船舶海洋工学会から「シップ・オブ・ザ・イヤー2020」を、日本海事協会から「デジタル・スマート・シップ」を受賞・取得。環境とデジタルで最先端と認められたことになる。

「1958年の開所以来、60年以上にわたり豊橋市にお世話になり、さらに1921年の創立から100周年となる年度に豊橋商工会議所から環境経営賞をいただくことになり大変光栄です」。トピー工業(本社東京都)の主力生産拠点・豊橋製造所(豊橋市明海町1)の野秋明弘所長は感慨深げに話す。生産から物流、建築現場まで全工程で環境負荷の低減に役立つコンパクトコイル「ティーエーコイル」が今回の受賞対象となった。

豊橋製造所は鉄鋼の製鋼圧延(あつえん=ロールで挟んで成形する工程)を手掛けている。その中でも断面が円形の棒状の鋼線を「棒鋼」と呼び、主に鉄筋コンクリート建築物の資材として活用する。

従来、この棒鋼は直線形状のままトピー工業から建築業者まで大型トラックで運搬し、建築業者は倉庫で保管。建築現場の需要に合わせて倉庫や工場で裁断し建築現場に運んでいた。直線形状のままの運搬費は高額で、保管費が発生。さらに裁断時には廃棄ロスが出る。

トピー工業が開発したコンパクトコイルの荷姿(にすがた)は、直線形状ではなくコイル状。イメージとしてはミシンに使う糸巻きの状態だ。直系16ミリまでの棒鋼を高密度にグルグル巻きにして出荷し、建築業者の倉庫や工場で直線形状に戻した上で必要な長さに切断する。

新しい荷姿の導入により加工効率が上昇すると同時に廃棄ロスがほぼなくなる。さらに今までは事実上不可能だった鉄道運搬が可能になり、C=(二酸化炭素)排出量を大幅に削減することに成功した。さらにコンパクトコイルの積み重ねにより保管コストを70%削減できたという。

ミナト設備工業の本社
ミナト設備工業の本社

■都市デザイン文化賞

一方、2021年度の「都市デザイン文化賞」に選ばれたのはミナト設備工業(本社豊橋市前田南2の14の10)の本社だ。

ミナト設備工業は給排水、配管、空調などの工事を手掛ける。2021年5月に本社建屋を建て替えた。建屋は3階建てだが、外観からは2階建てにも4階建てにも見える。

設計・施工はオノコム(本社豊橋市)が手掛けた。同社首脳は「自分で設計したらとても思い浮かばないデザインで驚いた」と話す。

注目を集める本社は、採用活動にも好影響を与えると考えている。

ご意見・ニュース提供
新聞広告出稿
土曜日紙面サンプル閲覧
アラジンオフィス
防犯カメラ買うなら塚本無線

会社概要メニュー

出版物のご紹介 一覧へ

中経企業年鑑登録

イベント情報一覧へ