「影響ダイハツ以上か」 中部の部品メーカーなどに波紋
豊田自動織機のディーゼルエンジン認証不正の対象が、自動車用にも広がったことを受け、中部地方の部品メーカーや販売店の間で落胆が広がっている。トヨタ自動車も対象エンジンの搭載車両の出荷を停止し、影響が広がる懸念がある。各社からは「ダイハツの不正に続き、大変なことが起きた」(部品メーカー社長)との声が相次ぎ、今後の動向が注視されている。
「第一報を受け、びっくりした」。豊田自動織機にフォークリフト部品を納入しているある部品メーカーの社長は、不正対象エンジンの拡大に驚きを隠さない。
中部の企業の多くが感じたのは、ダイハツ不正のような既視感だろう。ある部品メーカー社長は「自動車用エンジンで出力性能が基準値を満たしているのに、不正な試験を行っている状態は、ダイハツと同じではないか」と指摘する。
豊田自動織機のディーゼルエンジンの出荷停止を受け、トヨタはスポーツタイプ多目的車「ランドクルーザー300」や商用車「ハイエース」などの出荷停止を決めた。
あるトヨタ系の1次サプライヤー社長は「停止するのはランクルなど人気車種にも及ぶため、影響のインパクトはダイハツ以上になるかもしれない」と不安な表情を見せる。
別のトヨタ系サプライヤー社長は「最も不安なのが、いつまで出荷停止が続くのか現時点で見通せないことだ。影響がどの程度大きくなるのか全くつかめない」と懸念する。
また、トヨタ系の販売店の社長は「ランクルに限らず、ハイエースも法人や個人向けで安定的な需要が見込める。足元でダイハツ生産車両も販売できない中、影響は大きい」と肩を落とす。
トヨタは30日に豊田章男会長がグループビジョンを説明する予定だ。
東海東京調査センターの杉浦誠司シニアアナリストは、豊田自動織機の不正拡大を受け、「トヨタが成長を続ける中、グループ全体で現場に無理が生じていた可能性がある。今後、グループ全体でいかに再構築するかが焦点になる。30日の説明で、再構築への一歩となるメッセージがどう示されるのか注目している」と話す。
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